あるひの。

ある朝、昼、夜。きっとどこかの世界で何かが起こっている。そんなことを見てみたいと想う、あるひの。

logs

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

成果の無い充実感。

 抗いようもなく受験期で、しかもいまはゴールデンウィークなのだけれど、昨日はそれを振り切ってメイプルをしてとても楽しいことがあったので、久しぶりに更新してみる。
 受験勉強に疲れ果てて………。なんて理由ではなく普通に遊びたかったからで、そもそも勉強なんてしてなくて、なんとなくつけたパソコンの、いつも通りのデスクトップで何気なくたたずむキノコハウスにめがとまり、ふらっと立ち寄ったのです。長らく訪れていない、メイプルワールドに。
 で、薄れかけようともしない刻み込まれるほど繰り返したログイン作業を経て、呼吸をするようにメインキャラを起動させる。降り立ったのはエーデルシュタイン。たしか、前にクエストで飛ばされてそのまま居座っていたんだと思う。
 誰かいたらいいな、という軽い気持ちで入ったから、特に誰かと約束があったわけでも、やってみたいクエストが公式HPに掲載されていたわけでもなかったし、そもそも数分で落ちる予定だった。
 エーデルシュタインの町並みに懐かしさを覚えながら、「友録」を開くとそこには一人だけしか表示されていなかった。旧来の友人であるKさん。の、サブキャラ。
 「こん」といわれたので、「久しぶり」のような言葉を返してから、さてどうしたものかと考えた。
 最初は、知っている人が少ないみたいだったからその日はもう落ちてしまおうかとも考えたのだけれど、ふとして「リス港」に行きたくなった。せっかくゲームを開始したのだから、なにもしないのはもったいないと考えたというのもあったけれど、それ以上に「始まりの街」に行ってみたくなった。ビクトリアアイランドでも、カニングシティーでもなくメイプルアイランドの方へ。リス港から人気度300を越えたプレイヤーだけが戻れる場所だというのは知っていたけれど、もしかしたらパッチが当たって行けるようになっているかもしれないし、下手したら消えて無くなっているかも知れないと気になった。確かにwikiなどで調べればすぐにでも答えは出るものだったんだけど、なんとなく、自分の目で確かめたくなった。
 とすればまずは船に乗らねばなるまい。時空石というのも考えたけど、やはり自分の足で行きたかった。
 ええと、船、船。エーデルシュタインをうろうろして、ついでにバトルメイジの教官に挨拶をして、ベルちゃんを拝んでみて、ようやく船着き場にたどり着いた。担当のNPCに話しかけ、ビクトリアアイランドへ。連絡用のような小さな船で腰を下ろすと、画面の右下にふきだしが現れた。
 『pさんがログインしました』
 システムメッセージ。友達登録をしてある人がログインすると流れるもので、二人目の友達がきたと少し嬉しくなった。さきほどのkさんと、雑多な拡声器が埋め尽くしていたチャットログに今度は俺が「こん」と表示させる。ようやくこのゲームをしている気になってきて、少しテンションがあがった。
 かといってそんなに話し合うことがあったわけでもなかったから、船が向こうの船着き場に到着するころには会話は尽きていた。止まったチャットログから視線をキャラクターに移し、黙々とリーフロードを降る。ええと、なにをしにきたんだっけ。そうそう、リス港に行こうとしていたんだった。
 リス港へ向かおうとして、いちばん左下にあるポータルをくぐる。どんどんすすみ、さあ街っぽいぞと思えるようになってきたところで道を間違えていたことに気が付いた。道を間違えて、リス港ではなくヘネシスの方へ来てしまった。
 しょうがない、もう一度ポータルをくぐってリーフロードに戻ろう。くるっとまわって来た道をなぞろうとすると、また画面の右下に赤い吹き出しが現れた。
 『Iさんがログインしました』
 またもやシステムメッセージ。三人目の友達を迎え入れ、いっそう嬉しくなった。
 港へ向かう足を止め、「久しぶりだねー」などと言ってみる。ついでに愛情表現も忘れない。Twitterと違って言いたいことが言えない世知辛い世界である。いや、これが健全なのだ。
 一通り挨拶をして再びリス港へと歩みを進めていると、先ほどのIさんから呼びかけがあった。
 「しすたさん、ホンテソロ出来るようになったから二人でいってみない?」
 おお、と単純に驚いた。こっちはもうお風呂も夕飯も済ませているし、時間もあるため二つ返事でOKした。
 さて、この続きを話す前にホーンテイルについて軽くおさらいしておく。
 ホーンテイル。龍族の裏切りもの的な立場だった気がする。簡単にまとめるとメイプルワールドのボスキャラだ。一昔前までは何十人というパーティーを編成して挑む類の強敵だったのだが、いまはそうでもないらしい。実際俺も、一度友達に連れて行ってもらったことがあった。……辛くもあと一歩のところでラグ落ちしてしまったんだけど。
 とにかく、ホーンテイルというのは大がかりなモンスターだった。それを倒しにいこうと誘われたのだから、こっちも好奇心を揺さぶられないわけにはいかない。「いますぐいく?」というIさんにちょっとまってと断って、足早にリス港へ向かった。
 HPは足りるのか、回復薬はいまのままでいいのかなど細かい話し合いをしながら進んでいると、やがてリス港へ着いた。潮風、太陽。残念ながら現在の技術はそれらを実物の感覚として提供できるほどではないのだけれど、久しぶりに聞いた穏やかで活気のあるBGMと石造りの家々は、初めてこの街にたどり着いた時の、一種の興奮状態にあった俺が生み出した「海の見える街」という感覚を想起させた。
 ありがちな思い出に浸りながら、当初の予定通りシャンクスのもとへ駆け寄った。話しかけると、相変わらず彼の船には「人気度300以上のプレイヤー」しか乗せてくれないようだ。臆病なのか、はたまた温情なのかしらないけれど、金髪の彼は何気ない表情で青い海賊服を潮風になびかせていた。これからこの世界に訪れる人々の全てを彼がここに連れてくるんだと考えると、それはそれで胸に沸くものがあった。……いまの時代、初めての街がリス港なんてことないのかもしれないけど。
 さて、当初の目的は果たしたわけで、手近な薬屋で回復薬を整えて、Iさんに連絡を取る。「ホンテの入り口で待ってるから」ということで、待たせてしまった焦りもあって駆け足でリプレに向かった。
 野を越え山を越え、タクシーに乗り、大木と草原をかき分けて走り、魔法の扉をくぐってリプレとひとっ飛びし、タクシーに乗り、猛獣たちに手厚く歓迎されながら渓谷を進む。ああ、こいつら狩りまくったなあだとか、あれ、こっちじゃなかったけ、だとか迷いながら懐かしみながら目的地へ到着した。
 Iさんの姿はそこにはなく、どうやら先にクエストマップへ進んでしまったらしい。仕方がないのでクエストマップへ進もうとすると、トカゲの門番に首根っこをつかまれた。
 「おい、お前。こっから先は立ち入り禁止だ」
 という感じにマップから追い出される。………あれ?
 どうしたらいいかわからずに、何度か試しては追い出されているとやがてIさんがやってきた。クエストマップへ進んでいたわけではなくて、どうやら彼もどこかでなにかをしていたらしい。
 「ねえ、進めないんだけど」
 どういうことだよ、と今度は俺が彼の首根っこをつかむ。
 「……しすたさん、秘薬持ってないの?」
 秘薬?秘薬ってなんだっけそれ………。
 しばし考えていると、それが前提クエストのクエストアイテムだとわかった。そうだ、ここの前提クエストは秘薬を飲んでトカゲになりきり、あの憎たらしい門番を騙して中に入るというものだった。
 「持ってないっす……」
 思い出して、自分の用意の悪さを反省するとIさんは「うーん」と唸った。どうしましょう、と頭を低くして訪ねると、Iさんはこう提案した。
 「とりあえず、秘薬作っちゃおう」
 正直なところ、えっ、と思った。なにぶん一度はこの前提クエストをこなしているものだから、その大変さは身をもって知っているつもりだ。そんな簡単に事が運ぶとは思えなかった。
 「時間かかっちゃわない……ですか?」
 腰と頭をこれでもかというくらい低くさげ、遠慮がちに聞いてみる。しかし俺とホーンテイルに行きたくて行きたくて仕方のないIさんは「大丈夫」と不敵に言い放った。
 まあ、彼が大丈夫というなら大丈夫なんだろうな、と適当に自分の中に落とし込んで前提クエストを受ける。内容は、秘薬を作るからアイテムを持ってこい、というもの。これだけ聞くと簡単そうに思えるのだけれど、そのアイテム達がまたややこしい。グリーンリザードマンの浄水だとか、丈夫な龍の皮なんかはまだいいのだけれど、グリーンリザードマンの短刀とレッドドラゴンの鳴き声というのがやっかいなのだ。前者は鉱石を二つも用意しなければいけないし、後者は時間沸きのドラゴンを倒さなければならない。
 この時点で、正直なところ今日中にホーンテイルに挑むのは難しいかな、と思っていた。時刻は九時四十何分。いくら明日が休日でも夜更かししてまでボスを……というのはしたくなかった。だからまあ、後日のためにアイテムを集める気分でクエストをこなすことにしたのだ。
 ところがどっこい、俺と二人っきりでホーンテイルに行きたくて行きたくて夜も眠れなかったであろうIさんは興奮した口調で「浄水と皮とってきなさい!鉱石と鳴き声はなんとかするから!!」といって足早にワープしてしまった。もちろん、脚色十分である。
 相方がいなくなってしまったので、俺は不手際を招いた側として、へへえとこうべを深く垂れながらせっせとアイテム収集に励むことになった。渓谷を降ってワイバーンの巣を見つけ、ちくちくと彼らを狩って皮を拾う。十個ほど集まったところで次は浄水。さらにもどって猛獣たちと血気盛んはチートさんをかき分け、グリーンリザードマンの元へ赴いた。
 そういえば、短刀を作るためには壊れた短刀が必要なんだっけ、と思いついて運良く早めに出現した浄水を拾ってもグリーンリザードマンを狩り続けることにした。
 十数分くらい狩りをして、あっれーでねーなーと思っていたところでIさんがやってきた。
 「まだなの!!!」
 と顔を真っ赤にして銃口をこちらに向ける。いやいや、ね?落とさないんだってこいつら。短刀。と、澄まし顔で自身の潔白を証明しにかかっていると、今度は引きがねに指をかけ、
 「短刀は!!ダークリザードマンでしょ!!!」
 と怒鳴りつけた。どうやらIさんは本当に俺とホーンテイルに行きたくてしようがないらしい。三度も断ることになるけれど、脚色しまくりである。
 ごめんなさいねー、とダークリザードマンを狩り狩り。おお、でましたでました壊れた短刀。ついでに忘れていた骸骨の甲冑ももらっちゃいましょう。さて、こいつをもってリプレに移動。やっとこさグリーンリザードマンの短刀が手に入ります。
 「はい、ミスリルと鋼鉄!」
 ありがとうございますありがとうございます、地面に落とされたそれらを拾って武器屋のNPCへ。無事、短刀を手に入れることに成功。
 「それで、鳴き声だけど……どうするんですか?」
 「エボルピングシステムを使います」
 えぼるぴんぐしすてむ?聞き慣れない単語に狼狽しながらIさんに腕をひっぱられ、次元の鏡を通って然るべきマップへ。ごったがえしたマップを突き進み、NPCから説明を受ける。
 …どうやらエボルピングシステムというのは、任意と敵と自分の望む設定で戦えるつい最近できたシステムらしい。仰々しい名前をつけたもんだなぁと感心しながらクエストを受け、クリア。待ちかねたIさんに報告すると、すぐさまレッドドラゴンと闘うことに。
 データのドラゴンと剣を交え、何事もなく鳴き声をゲット。ようやくアイテムが全てそろった。それにしても、データの世界からアイテムだけ持ち帰ることができるなんて、まるでどこかのSFみたいじゃないか。
 メイプルストーリーのパクり疑惑を胸に仕舞いつつ、リプレへと帰還。先ほどのマップへ戻り、秘薬を作ってもらう。飲んで、変身。やたらめったら必要以上に骨張ったトカゲ野郎をまんまとだまし、クエストマップへ。
 ようやくたどりついたマップで、遠征隊を組み直す。やっとだねー、などと話ながら挑戦ボタンをクリック。
 『愚か者共め、レベル80以上の強者6名で挑むがよい』
 システムメッセージ、というかNPC。あからさまな悪者口調でクエスト受注条件がそろっていません!と教えてくれた。
 「6人必要っぽいよ」
 ということだから、じゃあ集めようかということでお互い友達チャットでよびかけることにした。幸い、最初に出てきたkさんpさんに加えいつのまにやらAさんやらNさんまでログインしていたので、名前を揃えるのにそこまで苦労しなかった。
 「これで何人?」
 「五人かな」
 「じゃあサブつれてくるね」
 人数が足りないみたいなので、一応自身の一番レベルの高いキャラクターをつれてきて、遠征隊に加入。これで人数がそろったね、と一安心してもう一度挑戦ボタンをクリック。
 『愚か者共め、レベル80以上の強者6名で挑むがよい』
 ………あれ?
 もう一度、クリック。
 『愚か者共め、レベル80以上の強者6名で挑むがよい』
 あれ?
 「なんか、まだできないんだけど」
 「あれー?」
 と困っていると、先ほど名前を貸してくれた方々が知恵を貸してくれて。
 「そういえば、ホンテってこのあいだから120以上になったんじゃなかったっけ?」
 「ああ、そういえばそんなのもあったね」
 ということで、遠征隊を見直し。なんとさっきつれてきた俺のサブキャラが102lv!これじゃあ足りないな、と再度遠征隊員を募集。Aさんが加入してくれて、これで6名。全員強者!もういちど挑戦ボタンをクリック。
 『愚か者共め、レベル80以上の強者6名で挑むがよい』
 えー。
 数度クリックしてみるものの、『愚か者共め、レベル80以上の強者6名で挑むがよい』というログが流れるだけでいっこうにホーンテイルに挑戦できそうにない。
 二人で途方にくれていると、最後に加入したAさんが一言。
 「………もしかして、証票もってないじゃね?」
 その場で調べてみると、どうやら名前を借りるだけ、などの方法でホーンテイルに挑むためには証票と呼ばれるアイテムが必要らしかった。これにはさすがのIさんもお手上げだったらしく、二人して「あちゃー」とタイプした。
 「証票wwwwwwwwww持ってないのwwwww」
 「証票とかマジいまのトレンドだから」
 上級者のpさんとAさんはこれでもかというくらい「w」をまき散らし、証票の存在を二人の頭に刻みつけた。
 結局、Iさんと話し合ってほーんているに挑むのはまた今度にしようということに終止して、昨日は落ちたのだった。
 こうして振り返ってみても、実際何一つ実りが無かったわけなんだけれども、二人でそこかしこをかけずり回ってアイテムを集めたり、知恵を出し合って問題を解決したりと、なかなかに充実した時間のように感じられた。
 今度はしっかり証票をとるなり、試練の塔なるクエストを受けるなりして、きちんとホーンテイルから経験値をかっさらってきたいと思います。おわり。
スポンサーサイト

トラックバックURL

http://sisutatosetuna.blog9.fc2.com/tb.php/556-d960c1c8

この記事へのトラックバック

この記事へのコメント

次は頑張ろうぜ!!

  • 24/05/2013
  • いつかさん ♦-
  • URL
  • 編集 ]
コメント投稿フォーム

Navigations, etc.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。